「急な胸の痛みについて」
豊明市民の皆様に身近なテーマで講演会を行いました。
スライドショーにてご紹介いたします。
講演会要旨 「急な胸の痛みについて」 成田 伍良
胸の痛みには内臓痛と体性痛があり心臓の痛みは内臓痛であり表在性である体性痛とは異なる。急を要する予後に影響する痛みとして1)冠動脈疾患(労作性狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞)2)大動脈疾患(解離性大動脈瘤)3)肺疾患(肺梗塞)がありこれらは早期の診断と治療がその人の予後を決定する。心筋梗塞は狭心症と異なり6時間以内の再疎通が大切である。解離性大動脈瘤は大動脈の解離を早期に発見することが大事であり、胸部X-P、CTの検査が有用である。最近ではマルチスライスCTが早期診断法として用いられる。肺梗塞は肺に血栓等が下肢等から飛散し肺動脈を閉塞させるため呼吸困難をきたすため早期の血栓溶解と凝固阻止が大切である。これらの大きな原因となる動脈硬化を予防するためコレステロールを低下させる事が重要である。特に心筋梗塞は冠動脈の破綻から起こり、その原因となるコレステロールで満たされたプラークの亀裂による。その際の冠動脈の閉塞率はほとんどが50%以下であり今まで考えられていた重度の狭窄血管の閉塞とは異なる。これらのことからコレステロールを低下させることが大事であることを強調して講演を終了した。